学校規模適正化について
学校規模適正化とは、学校の適正な配置と適正な規模の維持により、持続可能でより良い教育環境を整える事業です。
背景
進む少子化

児童生徒数推計(平成元年から令和11年)
全国的に少子化が進む中、西郷村でも今から30年前の平成5年当時は、約2,200人の児童・生徒がいましたが、令和5年現在は、約1,700人まで減少しました。5年後の令和11年にはさらに減って1,500人を割り込む推計となっており、このままでは「学校の小規模化」が進んでいくと見込まれています。
学校の小規模化が進むと、きめ細やかな指導が行えるというメリットがある一方、児童・生徒数が減ることで、クラス替えができず人間関係が固定化したり、クラブ活動や部活動の種類が制限されたりするなど、多様な経験を通じて社会性を学ぶ機会に制約が生じます。
また、複式学級となると、必要な教科分の教員の配置が困難となり、免許外指導となるケースも出てきます。複数学年分や複数教科分の授業準備が求められる教員の負担は大きく、教員の人員不足の問題も近年顕著になっていることもあり、授業の質の確保ができなくなるなどのデメリットが多く存在します。
学校施設更新の時期
村内8つの校舎のうち、小田倉小学校と西郷第一中学校が築40年を超過しており、建替え、若しくは長寿命化改修を実施する時期を迎えています。児童・生徒が安心して学校生活を送るために、学校施設の計画的改修が必要です。
将来の児童・生徒数を見据えた学校再編を行うことで、学校施設の改修サイクルを持続可能なものとし、効率的に新しい教育環境を整備していくことが求められています。
学校名 | 建築年 | 築年数 |
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熊倉小学校 | 平成4年 | 31年 |
小田倉小学校 | 昭和55年 | 43年 |
米小学校 | 平成2年 | 33年 |
羽太小学校 | 昭和60年 | 38年 |
川谷小学校 | 昭和63年 | 35年 |
西郷第一中学校 | 昭和51年 | 47年 |
西郷第二中学校 | 平成11年 | 24年 |
川谷中学校 | 昭和63年 | 35年 |
今年度の取り組み
令和6年度から令和7年度にかけて、教職員、PTA、児童生徒、地域の方々とのワークショップ、懇談会を通して、提言書の内容を様々な目線で検証し、持続可能で子どもたちが夢を持てるような、西郷村の望ましい教育環境のあり方を検討していきます。
【公募型プロポーザル】西郷村の望ましい教育環境のあり方に関する方針策定支援業務
教職員・保護者を対象としたワークショップの実施
望ましい教育環境のあり方を検討するため、教職員・保護者の方を対象としたワークショップを実施します。
【西郷村学校ワークショップ】教職員・保護者の方を対象としたワークショップを開催します
これまでの取り組み
令和4年度から令和5年度
西郷村学校適正化配置検討委員会
学識経験者、PTA、各学校運営協議会代表(地域住民)により構成された、西郷村学校適正配置検討委員会において、計4回の委員会を開催し、検討がなされました。
回数 | 開催日 | 場所 | 内容 |
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第1回 | 令和4年11月29日(火曜日) | 西郷村文化センター第一研修室 |
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第2回 | 令和5年2月20日(月曜日) | 西郷村文化センター第一研修室 |
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第3回 | 令和5年5月25日(火曜日) | 西郷村文化センター第一研修室 |
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第4回 | 令和5年8月7日(月曜日) | 西郷村文化センター第一研修室 |
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小中学校の学級数と児童生徒数推計による提言内容
将来の推計を踏まえ、西郷村学校適正配置検討委員会から、西郷村の小中学校の適正な規模、配置等今後あるべき姿について、次の提言がなされました。
学校名 | 令和5年児童数 | 令和5年学級数 | 令和11年児童数(推計) | 令和11年学級数(推計) | 提言内容 |
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熊倉小学校 | 394 | 14 | 357 | 13 | 適正規模 |
小田倉小学校 | 424 | 16 | 340 | 13 | 適正規模 |
米小学校 | 219 | 10 | 191 | 8 | 過少規模(再編検討を要す) |
羽太小学校 | 51 | 5 | 42 | 4 | 過少規模(再編検討を要す) |
川谷小学校 | 26 | 4 | 13 | 3 | 過少規模(再編検討を要す) |
学校名 | 令和5年生徒数 | 令和5年学級数 | 令和16年生徒数(推計) | 令和16年学級数(推計) | 提言内容 |
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西郷第一中学校 | 335 | 11 | 291 | 10 | 過少規模(再編検討を要す) |
西郷第二中学校 | 214 | 8 | 171 | 7 | 過少規模(再編検討を要す) |
川谷中学校 | 31 | 3 | 3 | 2 | 過少規模(再編検討を要す) |
西郷村における学校適正規模を、過少規模を12学級未満、適正規模を12~18学級、過大規模を19学級以上とした場合。(学級数に特別支援は含まない。学級数算定方法は令和5年度実学級数算定方法による。)
適正化を進めるにあたっての意見
小規模校に関する意見
人間関係の構築において悩みや不安など、色々な悩み・事情を抱える子供たちにとって少人数での教育環境にニーズがあることなど、小規模校におけるメリットについて十分考慮すること。
通学距離等に関する意見
学校配置適正化による遠距離通学者の体力・精神的負担に配慮し、学校配置、通学方法を慎重に検討すること。
廃止した学校施設等についての意見
学校とは地域コミュニティの核であることから、廃校により地域の衰退を招くことのないよう、地元の意見や、他市町村における先進的取り組みを幅広く参考にしながら、有効活用について検討すること。
更新日:2025年02月03日