上羽太天道念仏踊

更新日:2021年04月01日

上羽太の天道念仏踊 福島県指定重要無形民俗文化財(第10号)

太鼓を叩く人と浴衣をタスキ上げし、豆絞りのピンクの手拭いの鉢巻をした方々が上羽太天道念仏踊を踊っている様子の写真

上羽太の天道念仏踊は、毎年田植え終了後の6月第一日曜日に行われます。五穀豊穣を祈願するとともに、地区の娯楽ともなっています。現在は上羽太コミュニティセンター前で踊りますが、以前は地区の家々を順番に回り、軒先で踊っていました。その軒先に前庭として、二間四方を区切り、四隅に木臼と青竹を立て、注連縄を張り、三方を梯子で囲みます。祭壇には日天、月天の飾りと幣束、萱の小束、割竹に千代紙の重ね花形を糊付けしたものを地区戸数分を作り供えます。

踊りは「上げ念仏」と呼ぶ歌い手や太鼓を叩く役が2・3名と「下げ念仏」と呼ぶ、念仏を唱えながら踊る十数名からなり、衣装は浴衣に、たすき掛け豆絞りの手拭いの鉢巻をし、下げ念仏は、注連縄内に籾殻を敷いた上で素足で踊ります。踊りは軽井沢、十二あぐ、竹島、うちわ太鼓、サーホイ(そばまき)、ふん返し(弓ぶち)、サンジモサ(豊年太鼓)の7種類があり、神祀りに始まり、地起こし、種子まきから収穫など一連の農耕生活を表現しています。踊りの特徴は太陽信仰的要素をよく伝承され、種目も多く、民俗芸能として価値が高いものです。

天道念仏踊りは江戸時代の文化14年(1817)に編纂された白河領の風俗を記した『奥州白川風俗問状答』に「農人は村限り大勢集り朝日の出るより日の入まで鉦太鼓にて足をも休めず念仏を申ながら立通しにて或は輪にめぐり等して天道を祈り申候、是を天道念仏と申候」とあり、江戸時代には西郷村だけでなく白河地方全域で踊られていたようです。村内でも追原・下羽太・鶴生(高助を含む)・真船・柏野・熊倉・谷地中・下新田・米・長坂地区で行われていたようですが、踊りは上羽太のみとなり、他の地区では、神儀と共同飲食という形で残っているところもあります。

上羽太の天道念仏踊りは昭和41年青年体育文化交歓会全国大会に出場、昭和47年には県代表として北海道大会に出場、また、平成11年10月に青森県五所川原市で行われた国際民俗芸能フェスティバル、平成26年2月に東京都渋谷区にあるNHKホールで行われた第14回地域伝統芸能まつり出場の実績があります。

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