甲神社のキャラボク

更新日:2021年04月01日

甲神社のキャラボク,1元(緑の文化財登録279号)西郷村指定重要文化財(西郷村指定第2号)

キャラボクの画像

甲神社は『白河風土記』によると、源義家が安倍氏を征伐するために、この地を通ったときに、この神社に戦いに勝てるよう祈願して、甲を納めたことにより、甲大明神といわれるようになったとあります。

安倍氏は当時、現在の岩手県盛岡市周辺から宮城県境の胆沢郡までを領有していた豪族でした。この安倍氏と朝廷との間に起きたのが前九年合戦(1051~1062)で、義家の父頼義が永承6年(1051)に前九年合戦の鎮圧のため、陸奥守に任じられ、翌年に着任しています。天喜5年(1057)の黄海の戦いで、義家が大活躍したことが様々な文献で紹介されていますので、父頼義とともに永承6~7年にここを通ったのではないかと思われます。

キャラボクはイチイの変種で、イチイの葉が2列に水平に並ぶのに対して、キャラボクは不規則に螺旋状に並ぶのが特徴となっています。名前の由来はキャラボクの材の微かな香りが香木の伽羅に似ているためです。

甲神社のキャラボクを所有する小松家は15代まで代々神官を司っており、キャラボクは天正年間(1573~1591)に植樹されたものと伝えられています。樹高4.0m、胸高周囲は1.3mで、樹間に空洞があるものの、樹勢は良好で、この地方では数少ない樹種ながら400年の間、保護されており、貴重な記念物です。また、樹枝は優美な笠形のまま繁茂し、高い観賞価値を有しています。

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